医薬品を適正に使用する上で,製造販売承認を受けた時点での医薬品情報は十分ではありません.そのため,市販後に見出されるさまざまな課題(医薬品の有効性・安全性情報,インシデント・アクシデント事例,ニーズ等)を解決し,得られた新しい情報を付加してより正しく安全に医薬品を使っていくこと,それらの情報を創薬にフィードバックすることが重要です.このサイクルをしっかりとまわすことによって医薬品の適正使用と育薬を推進していくことが,医療現場においても,そして医薬品にとっても望ましい姿であると考えられます.
医薬品情報学講座では,医薬品情報学を学術基盤としながら,医薬品適正使用と育薬の推進を目標として,臨床現場における諸課題(=市販後情報)を効率的に見つけ出す仕組みを新たに作り,そこから見つけ出した課題を種々のアプローチで解決し,最終的には新規の医薬品情報やシステムの実装といった形で臨床現場に還元したり,医薬品の改良・進化の提案につなげることを目指します.