2025.03.01Publications薬学部薬学科卒業生の森部詩月さんの研究成果が医薬品情報学にpublishされました.
薬学部薬学科卒業生の森部詩月さんの研究成果が医薬品情報学にpublishされました.
森部詩月,今井俊吾,佐山杏子,上村忠聖,林 誠一,木崎速人,堀 里子*.薬名類似に起因する薬剤誤処方の傾向分析 – 薬剤師による誤調剤事例との比較–.医薬品情報学, 26(4): 178-185,2025. doi: 10.11256/jjdi.26.178. リンク
【論文紹介】
本研究では、薬剤名の類似に起因する誤処方(医師による処方ミス)と誤調剤(薬剤師による調剤ミス)の傾向を比較し、それぞれの誤りの特徴を明らかにしました。日本医療機能評価機構が公開する薬局からのヒヤリ・ハット事例(2020年3月~2022年10月)から、薬剤名の類似による234件の誤処方と152件の誤調剤事例を抽出しました。その結果、誤処方では薬剤名の類似度(m2-vwhtfrag指標)や冒頭一致文字数が高い傾向が見られました。一方で、薬効の類似性は誤調剤のほうが高いことが分かりました。
これらの結果は、医師による処方入力が名称ベースで行われやすいシステム特性を反映しており、誤処方リスクの低減に向けた処方支援システム設計に資する知見を提供するものです。