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2025.06.17Publications薬学科卒業生の大上 愛由さんが取り組んだ研究成果が医療薬学にpublishされました.

薬学科卒業生の大上 愛由さんが取り組んだ研究成果が医療薬学にpublishされました.

大上 愛由,木﨑 速人,今井 俊吾,堀 里子*.
オンラインでの健康相談の役割と課題:消費者視点からの分析. 医療薬学, 51(6)335-344, 2025. DOI: 10.5649/jjphcs.51.335 リンク

【論文紹介】
オンラインでの健康相談は,医療機関に行かずとも手軽に情報を得られる手段として注目されていますが,日本における利用実態やその限界については十分に明らかになっていません.本研究では,消費者の視点からオンライン健康相談の実態と課題を明らかにすることを目的にインターネット調査を実施しました.スクリーニング調査(回答率23%)では,全体の4.6%(723名/15,806名)がオンライン相談を受けた経験があると回答し,このうち252名を対象に本調査を行いました.その結果,17.5%の相談が非医療専門職に対して行われていることが判明しました.定期的に医療機関を受診している群では,「精神症状」「自己免疫疾患」「治療に関する疑問」「薬の使い方」などが主な相談内容であったのに対し,医療機関を定期受診していない群では,「かぜ症状」「小児の病気」「健康知識全般」「受診の必要性」などが中心でした.最も多かった対応は「医療機関での対面受診の推奨」(28.1%)であり,オンライン相談が受診行動の促進にもつながっていることが示されました. 本研究は,オンライン健康相談が多様な健康不安への初期対応として機能している一方で,特に継続的な診療が必要なケースでは限界もあることを明らかにしました.今後は,オンラインと対面診療の適切な役割分担を図り,より効果的な健康支援体制の構築が求められます.

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