2025.06.25Publications大学院薬学研究科薬学博士課程4年の飯野 温さんの研究成果が JMIR Formative Research 誌にPublishされました.
大学院薬学研究科薬学博士課程4年の飯野 温さんの研究成果が JMIR Formative Research 誌にPublishされました.
Iino H, Kizaki H, Imai S, Hori S*. Construction of Personalized Predictive Models for Missed Medication Doses Using Wearable Device Data: Prospective Observational Study. JMIR Form Res. 2025 Jun 24;9:e72113. doi: 10.2196/72113
【論文紹介】
服薬アドヒアランスの低下は,医療上の重要課題の一つですが,従来の評価方法は自己申告に依存しており,客観性や精度に限界がありました.本研究では,Apple WatchなどのWDから得られる生体データや行動データを活用して,服薬忘れを高精度に予測するための個別化予測モデルを構築・評価しました.本研究は,30日間にわたり8名の参加者を対象に実施した前向き観察研究に基づき,心拍・活動量・睡眠などのデータをもとに1時間単位の時系列特徴量を抽出し,LightGBMを用いた個人別の予測モデルを構築しました.その結果,朝の服薬タイミングで最も高い予測精度が得られ,特に6〜24時間前の行動パターンが服薬忘れの有無に強く関連することが示されました.
本研究は,少人数のデータに基づいた初期検討ではありますが,WDを用いた客観的・連続的なアドヒアランス評価と予測の可能性を実証するものです.今後は,より大規模な外部検証とともに,医療現場での実装や臨床的に重要な薬剤への応用が期待されます.