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2025.08.15Publications土屋 雅美特任講師の研究成果(セレコキシブによるカペシタビン誘発性手足症候群の予防効果の解明:NLPフレームワークを用いた解析)がJCO Clin Cancer Informにpublishされました.

土屋 雅美特任講師の研究成果(セレコキシブによるカペシタビン誘発性手足症候群の予防効果の解明:NLPフレームワークを用いた解析)がJCO Clin Cancer Informにpublishされました.

Tsuchiya M, Kawazoe Y, Shimamoto K, Seki T, Imai S, Kizaki H, Shinohara E, Yada S, Wakamiya S, Aramaki E, Hori S*.
 Elucidating Celecoxib’s Preventive Effect in Capecitabine-Induced Hand-Foot Syndrome Using Medical Natural Language Processing.
JCO Clin Cancer Inform. 2025 Aug;9:e2500096. doi: 10.1200/CCI-25-00096. Epub 2025 Aug 12.(JST-CRESTの研究成果:NAIST・東大医学部との共同研究)  リンク

【論文紹介】
カペシタビンは,経口抗がん剤の一つであり,手足症候群(hand-foot syndrome:HFS)を高頻度に引き起こし,QOLや治療アドヒアランスに悪影響を及ぼす.しかし,このような症状性有害事象は構造化電子カルテ(EHR)データからは把握が困難である.本研究の主目的は,非構造化臨床テキストからカペシタビン誘発性HFSを同定する自然言語処理(NLP)手法を検証し,実臨床における薬剤関連有害事象の傾向評価への応用可能性を示すことである.東京大学病院のEHR(2004年〜2021年)を用いた後ろ向きコホート研究を実施した.HFS症例は,MedNERN-CR-JAというNLPモデルにより抽出された.カペシタビン使用者間でセレコキシブ併用の有無により傾向スコアマッチングを行い,Cox比例ハザードモデルを用いてHFS発現までの期間を比較した.NLPによるHFS抽出精度は,臨床ノートのマニュアルアノテーションと比較して評価され,ネガティブコントロール分析および感度分析により結果の頑健性を検証した.癌患者44,502名のうち,カペシタビン使用者669名を解析対象とした.カペシタビン使用はHFSリスクの有意な上昇と関連していた(ハザード比:1.93[95%CI,1.48–2.52],P < .001).一方,セレコキシブ併用はHFSリスク低下との関連が示唆された(HR:0.51[95%CI,0.24–1.07],P = .073).NLPモデルは高精度を示し,精度0.875,再現率1.000,F1スコア0.933を達成した.NLPではなく手動アノテーションに基づくHFS症例を用いた場合も,同様の傾向が得られた.本研究は,実臨床記録からNLPを用いてHFSを検出する手法の有効性を示した.また,セレコキシブによるHFS予防効果の評価への応用により,レトロスペクティブな安全性解析におけるNLP手法の有用性が示唆された.今後は多様な臨床環境における一般化可能性の検証が求められる.

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